2013年12月17日火曜日

「楽(ラク)」と「楽しい」同じ漢字なのになぜこうも意味合いが違うのか?


久々に新記事です。。。。。。ご無沙汰しております。
近頃、お仕事が立て続けになっており嬉しい悲鳴をあげておりますが、ブログは完全にサボっていました!!!!もし、楽しみにしていらしたごく少数の方がいらっしゃったら、「ごめんなさい」としか言いようがありません。

ところで、今回のお題はまたしても日本語、漢字が題材なわけですが。
身近な存在であるはずの漢字、とっても不思議だと思いませんか?普段何気なく使っているものの、その意味するところなど通常の生活の中で鑑みる事など稀でしょう。しかし、今回あるクライアント先のダメ店員さんが(笑)こんなセリフを言いました。

店員A:「仕事なんてもっと楽しいほうがいいじゃないですか!!なんでそんなめんどくさいことを・・・・云々かんぬん然々・・・・(以下略)」

とまぁ内容もさることながら、わたしはふと疑問に思ったのです。「らく」「たのしい」同じ漢字を使うのに、ニュアンスや意味合いはまるで違う気がする・・。そうは思いませんか?ということで、調べてみました。まずは以下の国語辞書からの引用をご覧下さい。

新明解国語辞典≪第4版≫より
楽しい・・・(形)
その状態を積極的に受け入れる気持ちが強く、出来る事ならそれを持続したい感じだ。
表記⇒愉しい とも書く

楽(らく)・・・肉体的・精神的な苦痛やひどい負担を感じない状態になる事 -様子

このようになっておりますが、まだ腑に落ちない・・・。では漢字字書で調べてみると・・・・?

語句としては、【楽しい】【安楽】【音楽】などがありますが、ここでポイントになるのが【音楽】。
元々漢字というのは中国より伝わった象形文字で、元々の漢字は【】という字になります。どういう字かと言うと、3000年以上昔に古代の楽器を形に現した文字で(現在その正確な姿は私にはわかりませんw)、2200年位前の秦の始皇帝の文字大改革(篆書体)のときに「樂」の字が確立しました。

左右の「糸」は古代文字の二股に張った弦の部分を表し、「白」は金文文字の調弦器を表し、「木」は甲骨文字の時代の一本の木の棒の基になる部分を表し、楽器の台座になる部分です。大雑把な意味合いとしては、【楽器、音楽、音楽をたのしむ、愛好、安楽、快楽(音楽の)、喜ぶ】といった使われ方をしていたようですが、現在は中国でも使われていません。(誰かソース求む)

それがどういう事情でかは知りませんが、樂⇒楽といういわゆる和文字(国字)となったようで、その過程で(?)意味合いとして「らく」という使われ方?解釈のされ方がなされたようですが、恐らくいわゆる慣用語、農民言葉がそのまま定着したものでしょう。

以上が、という漢字の成り立ちと意味合いです。

最後に、ここからは私の持論ですが「らく」なことと、「たのしい」ことは全く違います。「人間は楽を求めて発展してきた」などとぬかす輩もおりますが、わたしは断じて違うと言いたい。何かの画期的な発明品、アイデア、商品これらすべては【作る人が楽しかった】から出来たものです。

な仕事からは何も生まれない。楽しい仕事からこそ何かが生まれるもの。

そんな仕事が出来る人間を一人でも二人でも多く創り出していきたい。そう思い立ち久々に書いたブログでした。・・・こんな長文を読んでしまったそこの貴方・・・大変お疲れ様です。そんな貴方の何かの足しになれば私としても幸いです。

ということで、おわりm(_ _)m