2013年2月5日火曜日

儲けたければ原価率は40%にしなさい! の裏側

儲けたければ原価率は40%にしなさい!

昨年末に日経レストランBPよりこの本が出ました。タイトルだけ見ると「え!?何言ってんの!?むりむり!」と思う方々が多いのではないでしょうか?通常、今までの常識で考えると、原価率は最低でも30%以下に抑える。ということが常識化しているはずです。しかし、本書ではそれを真向から否定しています。

但し、単純に良い物を使って原価率を上げれば儲かるか?というとそういうことではありません。商品が良いからお客様が来る時代でもありませんし、技術競争には限界があります。また、現状の飲食業界は、かなりの過当競争時代になっており、デフレ―ションに歯止めが効いておりません。(なんでも安かろうそこそこ悪かろう)

■では、儲けたければ原価率は40%にしなさい!とはどういうことなのか?

飲食店が売上(利益)を出すシステムは単純明快です。
(1)お客様ご来店
(2)注文を受けるor取る
(3)品物を出す
(4)代金を受け取る
(5)最終的に原価などの経費を差し引いて残ったモノが『利益』

なので、原価が高いとその分粗利は少なくなりますよね?

①:500円の商品があったとして、200円ほどの原価がかかる品物があったとします。
  A:これが30個売れると粗利は9,000円となります。
②:500円の商品があったとして、300円ほどの原価がかかる品物があったとします。
  A:これが30個売れると粗利は6,000円となります。

そうすると、一つの商品で3,000円も差が出てしまいます。(どちらも売上原価率40%と60%)何か由々しき事態だな・・・・。と思いませんか?しかし、そうではなく考え方を少し変えてみて下さい。飲食店の売り上げは、お客様が来る事から始まります。

つまり、お客様にご来店いただかなかければ、売上は0ということ。集客についてどうアプローチするか?がキーワードになります。(上記のような条件でも+15個売ればイーブンになります。)この本の内容を簡単にズバリ説明すると、原価率40%の内、例えば10%についての考え方を変えて、集客を導きましょう!となります。単純な広告や宣伝(一方的な)に対して、お客様は既に飽き飽きして既に満腹状態にあるという事実を、我々飲食業界は忘れてはいけない。
そこで、集客に悩む飲食業界の方々はお試しで読んでみてはいかがでしょうか?様々な業態の実際のアプローチ例(中には原価率120%設定の商品を出すお店も!)も見れるので、かなりお得な本だと思います。




~おまけ~
■原価の考え方

原価の考え方として、月の総合原価率のみで考えていたりすると、ハッキリ言いますがダメですよ。商品個々の原価をキチっと算出しましょう。さらに月にどのくらい出ているのか?(数)調べる事も重要。(もちろん最重要なのはお客様の反応ですよ!)また、新商品開発時にはテストマーケティングをすることも大切。

例えば、マグロを使った目玉メニューを開発したとしたら、まずはお試しで提供し、反応を見る。次に写真付きで、値段を変えて、キャッチコピーを変えて、などなど次々と反応を見ていき、正式に商品化の流れを作る。(AパターンとBパターンで比較、良い方をブラッシュアップしていくなど)

実はモノヅクリやIT業界では普通にやっていることなのですが、飲食店ではやっているところは余りにも少ない。一部大手飲食で行っているのみで、中小企業ではあまり行われてないようです。大概の場合、「新しいメニューですよー!」「オススメですよー!」「季節の商品ですよー!」「食べてねー!」といった一方通行の押し売りで終わる。

その結果「今回の新作は外れたなぁ」「値段かな?」「味かな?」等と終わってから悶々とするのだ。小さいお店であれば、恥じらいや無駄なプライドは捨てて、貪欲にお客様に尽くし、お客様の意見をどんどん反映させましょう。次にご来店された際に「○○さんに言われたからこう変えてみたよ!食べる??」「ほんとにー!?」なんて会話が出来ればしめたもの。自ずとお客様はお店のファンに、そして「このメニュー俺が考えたんだぜ!」なんてお客様は、さらに他のお客様を連れて来てくれるかもしれません。

ここまでくるのに、どれだけお金を使ったとしても、結果お客様が付いてくれればそれは、週、月、年と見れば大きな売り上げを上げる要素となります。これは一つの『投資』であり、原価の掛け方でありますが、単純に良い物を使って一方的な喧伝をするよりも、口コミを生み、満足を生み、優越感を生み、よっぽど集客効果が高いのです。

あくまで一例ですが、デフレ時代に合わせてデフレ化していくよりも、よほど意義のあるお金の使い方の一つではないでしょうか?儲けたければ原価率を40%にしなさい!の裏側にはこういう考え方があるのだ。

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